一見すると別々の問題
このシリーズでは、
製造業でよく見られる問題について考えてきました。
改善しても改善しない。
不良対策が繰り返される。
会議が長い。
意思決定が遅い。
ベテランが辞めると現場が止まる。
シミュレーションが活用されない。
一見すると、
それぞれ別々の問題のように見えます。
実際、
担当部署も異なります。
改善活動は現場。
不良対策は品質部門。
会議は管理職。
シミュレーションは技術部門。
DXは情報システム部門。
そのため、
多くの会社では、
それぞれを別々の問題として解決しようとします。
しかし本当にそうでしょうか。
共通する構造がある
私は、
これらの問題の背景には、
共通する構造があるように感じています。
例えば、
改善が進まないとき。
問題は改善不足ではありませんでした。
問題設定が曖昧だったのです。
不良対策が繰り返されるとき。
問題は分析不足ではありませんでした。
問題定義が曖昧だったのです。
会議が長くなるとき。
問題は議論不足ではありませんでした。
判断基準が共有されていなかったのです。
意思決定が遅くなるとき。
問題は情報不足ではありませんでした。
仮説が不足していたのです。
ベテランが辞めると現場が止まるとき。
問題は人材不足ではありませんでした。
知識が構造化されていなかったのです。
シミュレーションが使われなくなるとき。
問題はツール不足ではありませんでした。
活用目的が曖昧だったのです。
つまり、
それぞれの現象は違っていても、
根本には共通点があります。

前提が見えていない
それは、
前提が見えていない
ということです。
何を問題とするのか。
何を優先するのか。
何を成功とするのか。
どの知識を残すのか。
これらが曖昧なままでは、
個別の対策を積み重ねても、
同じ問題は繰り返されます。
私は長年、
シミュレーションや業務改善に携わってきました。
その中で感じるのは、
問題そのものよりも、
問題を見る前提のほうが重要な場合があるということです。
前提が変わると意思決定が変わる
前提が変わると、
見える問題が変わります。
見える問題が変わると、
議論が変わります。
議論が変わると、
意思決定が変わります。
意思決定が変わると、
行動が変わります。
そして結果も変わります。
だから私は、
改善活動やDXの前に、
まず前提を整えることが重要だと考えています。
問題を解くことは大切です。
しかしその前に、
本当に解くべき問題は何なのか。
その問いを持つことは、
もっと大切なのかもしれません。
さいごに
製造業の現場では、
今日もさまざまな問題が発生しています。
その一つひとつを解決することも必要です。
しかし時には、
問題そのものではなく、
問題の見方を見直してみる。
それが、
同じ問題を繰り返さないための第一歩になるのではないでしょうか。
本シリーズでは、
改善、不良対策、会議、意思決定、属人化、シミュレーションというテーマを取り上げました。
それぞれ異なるテーマに見えましたが、
振り返ってみると、
すべて
問題設定
問題定義
判断基準
仮説
知識化
という一つの流れにつながっていました。
そしてその土台にあるのが、
前提を整えること
です。
製造業の問題を考えるとき、
目の前の現象だけでなく、
その背景にある前提にも目を向けてみる。
それが、
より良い意思決定への第一歩になるのではないでしょうか。
この記事を書いた人
村上 亮
中小企業診断士・ITコーディネータ
「問題を解く前に、前提を整える」をテーマに、
製造業・DX・意思決定に関する情報を発信しています。
VXtyleでは、そうした思考の整理を行っています。
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