不良対策をしても再発する
製造業では、不良対策は日常的な活動の一つです。
不良が発生すれば、
・現象を確認する
・原因を分析する
・対策を実施する
・効果を確認する
という流れで改善活動が進められます。
しかし、
多くの現場でこんな経験があるのではないでしょうか。
・対策したはずなのに再発した
・別の工程で同じ問題が起きた
・何度も同じテーマが会議に上がる
なぜ不良対策は繰り返されるのでしょうか。
真因分析だけでは解決しない
よく言われるのは、
「真因分析が足りない」
という説明です。
そのため、
・なぜなぜ分析を徹底する
・データをもっと集める
・原因分析手法を学ぶ
といった改善が行われます。
もちろん、これらは大切です。
しかし私は、
真因分析そのものより前に考えるべきことがあると思っています。
私たちは同じ問題を見ているのだろうか
それは、
私たちは本当に同じ問題を見ているのだろうか
という問いです。
例えば、
鋳造品に欠陥が発生したとします。
現場では
「欠陥を減らすこと」
が問題として設定されます。
その結果、
・作業条件を変更する
・モニタリングを強化する
・教育を行う
といった対策が実施されます。
しかし、
もし顧客が本当に困っているのが
「欠陥そのもの」ではなく、
「納期遅延」だったらどうでしょうか。
あるいは、
歩留まりの低下だったらどうでしょうか。
その場合、
現場は正しい対策を実施しているにもかかわらず、
本当に解くべき問題には近づいていないことになります。
問題定義がズレると対策もズレる
つまり、
原因分析を行う前に、そもそも
「何を問題とするのか」
が整理されていない可能性があるのです。
不良対策の現場では、
原因分析には多くの時間が使われます。
一方で、
問題定義について議論されることはそれほど多くありません。
しかし、
問題定義がズレていると、
どれだけ優れた分析を行っても、
解決策はズレていきます。
私はシミュレーション業務に携わる中で、
「計算は正しいのに役に立たない」
という場面を何度も見てきました。
原因を調べる技術は高い。
解析も正しい。
しかし、
何を解決したいのかが曖昧なため、
成果につながらない。
これは不良対策でも同じです。
問題定義が曖昧なままでは、
真因分析は正しい答えを出しても、
望んだ結果にはつながりません。
だから私は、
不良対策において重要なのは、
「真因分析を深くすること」だけではなく、
その前に
「何を問題とするのか」 を明確にすることだと考えています。
さいごに
不良対策が繰り返されるとき、
分析手法を疑う前に、
一度立ち止まって考えてみてください。
私たちは同じ問題を見ているのだろうか。
その問いが、
改善活動の質を変えるきっかけになるかもしれません。
次回は、
その問題定義や意思決定を行う場であるにもかかわらず、
多くの会社で長時間化している
「なぜ会議が長くなるのか」
について考えてみたいと思います。
この記事を書いた人
村上 亮
中小企業診断士・ITコーディネータ
「問題を解く前に、前提を整える」をテーマに、
製造業・DX・意思決定に関する情報を発信しています。
VXtyleでは、そうした思考の整理を行っています。
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