同じ問題が何度も繰り返される
経営者や管理職の方から、
このような相談を受けることがあります。
- 何度注意しても同じミスが起きる
- 改善活動をしているのに成果につながらない
- 会議を重ねても結論が出ない
- 対策を打っても、しばらくすると元に戻ってしまう
このような状況に直面すると、
多くの人は「どうやって解決するか」を考え始めます。
もちろん、
それ自体は間違いではありません。
しかし、
問題解決が前に進む人には、
ある共通点があります。
それは、
目の前の問題だけを見ていない
ということです。
現象だけを見ていると、対症療法になりやすい
たとえば、
製造現場で不良が増えているとします。
すると、
「作業者に再教育をしよう」
「検査を強化しよう」
という対策が取られることがあります。
これらの対策が必要な場合もありますが、
もし本当の原因が、
- 作業手順が曖昧だった
- 工程設計に無理があった
- 品質基準が統一されていなかった
- 設備の経年劣化が進んでいた
といったところにあるとしたらどうでしょうか。
表面に見えている「不良」という現象だけに対応しても、
根本的な解決にはつながりません。
問題解決が前に進む人は、
現象の背後にある構造や関係性に目を向けています。
問題の背後には構造がある
私たちは、
目に見える現象に意識を向けがちです。
しかし、
多くの問題は、
さまざまな要因が組み合わさって発生しています。
たとえば、
「社員が主体的に動かない」
という問題があったとします。
その背景には、
- 役割や権限が曖昧
- 挑戦が評価されない
- 上司が細かく指示を出しすぎている
- 失敗を許容する文化がない
といった複数の要因が隠れているかもしれません。
つまり、
問題とは単独で存在しているのではなく、
組織や業務の構造の中で生まれていることが多いのです。
問題解決が前に進む人は、
「何が起きているのか」
だけでなく、
「なぜその状態が生まれているのか」
を考えます。
解決策より先に、「何を見ればよいか」を考える
問題が発生すると、
私たちはすぐに解決策を探したくなります。
しかし、
問題の捉え方が変われば、
解決策も変わります。
たとえば、
「売上が伸びない」
という問題も、
- 顧客ニーズの変化なのか
- 商品力の問題なのか
- 営業プロセスの問題なのか
- そもそも狙う市場が違うのか
によって、
打ち手は大きく異なります。
解決策を急ぐよりも先に、
「自分は何を見落としているのか」
「問題の背景にはどのような構造があるのか」
を考えることが、
結果として問題解決を前に進める近道になるのです。
さいごに
問題解決が前に進む人は、
目の前の現象だけを追いかけません。
現象の背後にある構造や関係性、
前提に目を向けています。
そして、
問題を解く前に、
問題を正しく捉えることを大切にしています。
次回は、
「良い問題設定が良い解決策を生む」
について考えてみたいと思います。
この記事を書いた人
村上 亮
中小企業診断士・ITコーディネータ
「問題を解く前に、前提を整える」をテーマに、
製造業・DX・意思決定に関する情報を発信しています。
VXtyleでは、そうした思考の整理を行っています。