なぜ会議は長くなるのか
製造業に限らず、多くの会社で聞かれる悩みがあります。
それは、
会議が長い
という問題です。
会議の予定時間は1時間。
しかし気が付くと90分、2時間と延びていく。
参加者は疲れ、
結論も曖昧なまま終了する。
そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
会議が長くなる原因として、よく言われるのは
・発言が多すぎる
・脱線が多い
・司会進行が悪い
いったものです。
議論が足りないわけではない
もちろん、それらも原因の一つかもしれません。
しかし私は、
もっと根本的な理由があると思っています。
それは、
判断基準が共有されていない
ことです。
例えば、
設備投資について議論するとします。
Aさんは
「品質向上」を重視している。
Bさんは
「コスト削減」を重視している。
Cさんは
「納期短縮」を重視している。
すると、
それぞれの意見は合理的なのに、
結論が出ません。
なぜなら、
どの基準で判断するかが決まっていないからです。
判断基準が共有されていない
会議の場では、
意見の違いが問題だと思われがちです。
しかし実際には、
意見が違うこと自体は自然なことです。
本当に問題なのは、
何を優先するか
が決まっていないことです。
判断基準が共有されていない状態では、
議論はどこまでも続きます。
なぜなら、
参加者はそれぞれ異なる物差しを使っているからです。
これは品質会議でも同じです。
ある人は
「不良率を下げたい」
ある人は
「生産量を維持したい」
ある人は
「コストを増やしたくない」
どれも正しい。
しかし、
優先順位が決まっていなければ、
結論は出ません。
会議で本当に決めるべきこと
私はシミュレーション導入支援の場面でも、
同じことを見てきました。
導入するかどうかの議論が延々と続く。
よく聞いてみると、参加者ごとに
・品質向上
・開発期間短縮
・技術継承
・コスト削減
と期待するものが違う。
つまり、
シミュレーションの良し悪しを議論しているようで、
実際には
何を重視するか
を議論しているのです。
この状態では、
どれだけ会議を続けても結論は出ません。
だから私は、
会議を短くするために必要なのは、
発言を減らすことではなく、
判断基準を明確にすること
だと考えています。
何を優先するのか。
何を成功とするのか。
何を諦めるのか。
これが決まれば、
会議は驚くほど短くなります。
逆に、
判断基準が曖昧なままでは、
どれだけ優秀な人が集まっても、
議論は終わりません。
さいごに
会議が長いと感じたとき、
進行方法を見直す前に、
一度考えてみてください。
私たちは同じ基準で判断しようとしているだろうか。
会議の長さは、
発言量ではなく、
判断基準の曖昧さを映しているのかもしれません。
そして実は、
判断基準が共有されていても、
意思決定が遅くなることがあります。
そのとき多くの人は、
「情報が足りないから決められない」
と言います。
しかし本当にそうなのでしょうか。
次回は、
「なぜ意思決定が遅くなるのか」
をテーマに考えてみたいと思います。
この記事を書いた人
村上 亮
中小企業診断士・ITコーディネータ
「問題を解く前に、前提を整える」をテーマに、
製造業・DX・意思決定に関する情報を発信しています。
VXtyleでは、そうした思考の整理を行っています。